「パチンコ屋って、1日にいくら売り上げているんだろう?」
「あれだけお客さんがいたら、すごく儲かっているのでは?」
そう思ったことがある人は多いと思います。
先に答えを書きます。
業界の数字から試算すると、パチンコ屋の一日の売り上げ(お客さんが玉を借りるのに払ったお金)は、全国平均で1店舗約660万円、台1台あたり約1.3万円です。
これは2024年の業界全体の数字を、店舗数と台数で割った試算です(数字は2026年10月時点で確認できたもの)。
そのうち、景品の分を引いてお店に残る粗利は約15%(1日約100万円の試算)です。
さらに人件費や家賃、台代を引くと、最後に残る営業利益は売上の1%台しかありません。
稼働率とは、お店に置いてある台のうち、実際にどれだけの台が遊ばれているかの割合のことです。
稼働率の全国の平均値は、公表されたものが見つかりません。
この記事で分かること:
- パチンコ屋1店舗・台1台の一日の売り上げの目安
- 売上・粗利・営業利益の違いと、1万円のうちお店に残る額
- 稼働率の計算方法と、平均が見つからない理由
僕は2008年から2016年ごろまで、パチンコ店で8年働いていました(店員から店長まで)。
お店側で数字を見ていた立場から、業界の数字と僕の体験を分けて書きます。
パチンコ屋の一日の売り上げは全国平均で約660万円(試算)
2024年の貸玉料16.2兆円を店舗数で割ると1店舗約660万円
パチンコ屋の「売上」は、まず貸玉料(かしだまりょう)で考えます。
貸玉料とは、お客さんが玉やメダルを借りるために払ったお金の合計です。
4円パチンコなら1玉4円なので、1,000円で250玉を借りることになります。
業界全体の貸玉料は、2024年で約16.2兆円と報じられています(日本生産性本部「レジャー白書2025」の報道より)。
ピークだった2005年の約34.9兆円と比べると、半分以下です。
2024年末のパチンコ店の数は6,706店でした(警察庁の統計の報道より)。
この2つで割り算すると、次のようになります。
- 16.2兆円 ÷ 6,706店 = 1店舗あたり約24億円/年
- 約24億円 ÷ 365日 = 1店舗あたり約660万円/日(試算)
試算は、2024年の貸玉料と2024年末の店舗数でそろえました。
なお、2025年末の店舗数は6,464店で、1年で242店減っています(警察庁の統計の報道より。2026年10月時点で確認できた数字)。
ただし、この660万円は、4円パチンコ・1円パチンコ・20円スロット、大型店・小型店がすべて混ざった平均です。
「普通のお店なら、だいたいこの数字」という意味ではありません。
台1台あたりは1日約1.3万円(試算)。台数別の早見表
2024年末の台数は、パチンコ約197万台、パチスロ約136万台で、合わせて約332.6万台です(警察庁の統計の報道より)。
1店舗の平均は約496台になります(試算)。
660万円を496台で割ると、台1台の一日の売り上げは約1.3万円(試算)です。
これを台数に当てはめると、次の表になります。
| 設置台数 | 1日の売上(貸玉料)の目安 | 粗利の目安(約15%) |
|---|---|---|
| 300台 | 約390万円 | 約59万円 |
| 400台 | 約520万円 | 約78万円 |
| 500台 | 約650万円 | 約98万円 |
| 1,000台 | 約1,300万円 | 約195万円 |
※全国平均の1台約1.3万円・粗利率約15%を当てはめただけの試算です。立地、4円と1円の割合、稼働で大きく変わります。
元店員の僕から言うと、台の売上は稼働で変わります。
稼働とは、台がどれだけお客さんに打たれているかのことです。
台1台の売上は、次の式で考えると分かりやすいです。
台の売上 = アウト × 玉単価
アウトは、その台に打ち込まれた玉の数です。
玉単価は、打ち込まれた玉1発あたりに、お客さんが実際に払ったお金です(売上 ÷ アウト)。
4円パチンコでも、玉単価は4円になりません。
打ち込まれる玉の中には、当たって出てきた持ち玉も混ざるからです。
パチンコ店向けのコラムでは、こんな例が紹介されています。
- アウト12,500発の台で、玉単価が1.60円なら、台の売上は約2万円
- 同じアウト12,500発でも、玉単価が1.00円なら、台の売上は約12,500円
- 1発あたりのお店の取り分(玉粗利)が0.20円なら、台の粗利は2,500円
(参考:PiDEA 林秀樹「玉単価と玉粗利の違い、明確に答えられますか?」2017年12月16日)
つまり、同じ台でも、打たれる玉が多い日は売上が大きく、空いている日は小さくなります。
打ち込んだ玉の数に4円を掛けた金額は、お店の売上ではありません。
4円パチンコと1円パチンコでは、同じ時間遊んでも売上が4分の1
1円パチンコは、1玉1円で玉を借ります。
同じ玉数を借りても、貸玉料は4円パチンコの4分の1です。
上の式でいうと、1円パチンコは玉単価が小さくなるので、アウトが同じでも売上は小さくなります。
1円パチンコや5円スロットが多いお店は、お客さんが多くても、売上の数字は小さく出ます。
僕が働いていたお店では、4円パチンコと1円パチンコはだいたい半々ぐらいでした。
これは地域の客層によっても変わります。
全国で1円パチンコがどれくらいの割合なのかは、公式の数字を見つけられませんでした(2026年10月時点)。
「売上」は3つに分けて考える:貸玉料・粗利・会社の決算の売上
パチンコ屋の売上の話がややこしいのは、「売上」という言葉がいくつかの意味で使われているからです。
この記事では、次の3つに分けます。
| 言葉 | 意味 | 数字の例 |
|---|---|---|
| 貸玉料 | お客さんが玉・メダルを借りるために払ったお金 | 業界全体 約16.2兆円(2024年) |
| 粗利 | 貸玉料−景品の額。お店に残るお金 | 約15〜16% |
| 営業利益 | 粗利から人件費・家賃・台代などを引いた残り | 売上の1.4%(106社平均、2024年度) |
粗利=貸玉料−景品。業界全体で約15〜16%
粗利(あらり)とは、貸玉料から、お客さんが景品に交換した分を引いた、お店に残るお金です。
2020年の業界全体の粗利は約2.35兆円と推定されています(ダイコク電機「DK-SIS白書」の推定。CREXの業界データより)。
同じ年の貸玉料は約14.6兆円なので、粗利率は約16%(試算)です。
これを1店舗の売上に当てはめると、次のようになります。
660万円 × 15〜16% = 1日約100万円(試算)
粗利は、交換率によっても変わります。
交換率とは、玉やメダルを景品に替えるときのレートのことです。
貸すときと同じ値段で交換する「等価」か、それより低い値段で交換する「非等価」かで、お店が景品として出す額が変わり、粗利も変わります。
会社の決算では、売上総利益率14.6%・営業利益率1.4%
矢野経済研究所は、パチンコホールを経営する会社106社の決算をまとめています(2024年度、2026年3月4日発表)。
1社あたりの平均は、次のとおりです。
- 売上高:174億3,200万円
- 売上総利益率:14.6%
- 販売費・一般管理費:売上の13.3%
- 営業利益率:1.4%
これは1社の数字で、1店舗の数字ではありません。
1つの会社が、いくつものお店を持っています。
業界の「売上」の数字は、資料によって違います。
たとえば帝国データバンクは、2024年のホール経営会社の売上高を約11.7兆円としています(帝国データバンクの調査より)。
貸玉料の16.2兆円とは、数え方が違うため数字が合いません。

※粗利率は業界全体で約15〜16%(2020年、DK-SIS白書の推定からの試算)、営業利益率1.4%は矢野経済研究所(106社平均、2024年度)。割合を当てはめた試算です。
店に1万円入っても、最後に残るのは約140円
上の図は、お客さんが払った1万円がどこへ行くかを、業界平均の割合で分けたものです。
- 約8,500円:景品としてお客さんに戻る
- 約1,500円:お店に残る粗利
- 約1,360円:人件費・家賃・台代・電気代などの経費
- 約140円:営業利益
経費の約1,360円は、粗利の約1,500円から営業利益の約140円を引いた差です。
1店舗の1日に当てはめると、660万円 × 1.4% = 約9万円です。
業界平均の割合を当てはめただけの粗い計算ですが、桁の感覚はつかめると思います。
パチンコ屋は、売上は大きいけれど、お店に残るお金は小さい商売です。
粗利から人件費・家賃・台代が引かれ、営業利益は1%台まで減る
粗利から引かれる主な経費(人件費・家賃・台代・電気代・広告)
粗利から引かれる主な経費は、次のとおりです。
- 人件費(スタッフの給料)
- 家賃(土地・建物)
- 台代(新台の購入費)
- 電気代
- 広告費
106社平均では、こうした経費(販売費・一般管理費)が売上の13.3%です。
粗利が売上の14.6%なので、ほとんどが経費で消えていきます。
元店員の僕の感覚では、どれがいちばん重いというより、どれも重いです。
新台代は毎週かかる:1台30〜50万円×毎週10〜30台(元店員の実感)
僕が働いていたお店では、新台入替が毎週ありました。
1回に入れ替えるのは10〜30台くらいです。
新台の値段は、1台30〜50万円くらいという実感でした。
この実感の数字で計算すると、次のようになります。
10〜30台 × 30〜50万円 = 週300万〜1,500万円
これは僕の実感から出した計算で、どのお店でもこの額というわけではありません。
それでも、全国平均の1日の粗利(約100万円の試算)と並べると、台代の重さが分かると思います。
入替が終わったら、試し打ちをしてデータに異常がないかを確認していました。
お店は1日ではなく、月の予算で数字を見ている
僕が働いていたお店では、1か月の予算が決まっていました。
その予算を回収できるように、日々計算していました。
つまり、お店は「今日いくら売れたか」だけでなく、「月の予算に対して今どこにいるか」で数字を見ています。
予算の決め方は、お店や会社によって違います。
パチンコの稼働率の計算方法と、平均の目安
稼働率とは、設置台数のうち実際に遊ばれている台の割合
稼働率とは、お店に置いてある台(設置台数)のうち、実際にお客さんに遊ばれている台の割合です。
お客さんから見える「この島は満席だ」という感覚と、お店全体の稼働率は違います。
島とは、台が背中合わせに並んでいる列のことです。
人気の機種の島は埋まっていても、ほかの島が空いていれば、お店全体の稼働率は高くなりません。
稼働率は、時間帯・曜日・機種によっても大きく変わります。
稼働率の計算式は2つ:遊んでいる台数で数える/アウトで数える
1つ目は、遊んでいる台数で数える方法です。
稼働率(%)= 遊技中の台数(お客さんの数)÷ 設置台数 × 100
たとえば800台のお店で350台が遊ばれていれば、次のとおりです。
350 ÷ 800 × 100 = 約43.8%
1日の稼働率をざっくり知りたいときは、12時・16時・20時のように何回か数えて平均する、というやり方もあります。
これは簡単に出せる1つのやり方です。
2つ目は、アウトで数える方法です。
アウトとは、さきほど出てきた、台に打ち込まれた玉の数です。
稼働率 = 1台の平均アウト ÷ 1台の最大アウト
最大アウトは「その台がずっと打たれ続けたら何発になるか」という上限です。
最大アウトをいくつで取るかは、お店やホールコンピューターによって違います。
ホールコンピューター(ホルコン)とは、お店の全部の台のデータを集めて管理するコンピューターのことです。
売上の式「アウト × 玉単価」と同じアウトを使うので、アウトで見る稼働は、そのまま売上の見込みにつながります。
僕が働いていたときは、1時間に1回はデータを見ていました。
稼働を見るだけでなく、データに異常がないか、ゴト(不正な手口で玉やメダルを出す行為)が起きていないかの確認も兼ねていました。
全国の平均稼働率は、公表された数字が見つからない
「パチンコ 稼働率 平均」で調べる人は多いですが、全国の平均稼働率は、公表された数字が見つかりません(2026年10月時点)。
業界団体の公表では、全国平均の稼働率は見つけられませんでした。
稼働のデータを集めているサービス(ダイコク電機のDK-SISなど)は、ホール向けの会員制で、平均の数字そのものは一般に公開されていません。
参考になるのは、業界に詳しい人の「仮定の例」くらいです。
たとえばマネーポストWEB(2026年9月16日)の記事では、説明のために「全機種全台の稼働率が50%だと仮定」した例が出てきます。
これは計算のための仮定で、全国平均ではありません。
元店員の僕から言うと、稼働が良いか悪いかは、競合店と比べて判断していました。
稼働率は「何%なら良い」と決まった数字があるのではなく、近くのお店と比べて見るものです。
台の撤去と入替も、お店の数字とつながっている
外す台は店長が決め、中古として売ることもあった
僕が働いていたお店では、どの台を外すかは店長が判断していました。
外した台は、中古として売ることもありました。
新台を買えばお金が出ていき、外した台を売ればお金が少し戻ってきます。
台の入れ替えも、売上や粗利と同じく、お店の数字の一部です。
打つ人が知っておきたいこと:店の数字から台の出方は分からない
売上・粗利・稼働は、お店の経営の数字です。
この数字から、どの台が当たりやすいかは分かりません。
打つ人が知っておいて役に立つのは、次のようなことです。
- 等価か非等価かで、同じ出玉でも戻ってくるお金が違う(交換率)
- スロットの出玉の割合は「機械割」で表される
パチンコ・スロットを楽しむときの注意
パチンコ・スロットは、18歳未満の人は遊技できません。
遊技は、生活に影響しない、余裕のあるお金の範囲で楽しんでください。
のめり込みが不安なときは、「リカバリーサポート・ネットワーク」に相談できます。
電話:050-5846-3952(月〜金 10:00〜22:00、受付は21:30まで。祝日を除く)
パチンコ屋の一日の売り上げまとめ
- 一日の売り上げ(貸玉料)は、全国平均で1店舗約660万円、台1台約1.3万円(2024年の業界の数字からの試算)
- 台の売上は「アウト × 玉単価」で決まり、稼働によって変わる
- お店に残る粗利は約15%(1日約100万円の試算)
- 人件費・家賃・台代などを引いた営業利益は、売上の1%台
- 稼働率は「遊ばれている台 ÷ 設置台数」。全国平均は公表された数字が見つからず、お店は競合店と比べて見ている
パチンコ屋は売上の数字は大きくても、お店に残るのはそのごく一部です。
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