「パチンコ店のカメラって、どこまで見てるの?」
「映像はいつまで残る?見せてもらえる?」
「顔認証で負けさせられるって本当?」
そんな疑問や不安を持って、この記事にたどり着いた人も多いと思います。
先に答えを書きます。
パチンコ店の防犯カメラは、盗難や台の破損などのトラブルの証拠と、お客さんの安全のために付いています。
録画の保存期間を一律に決めた法律は、今回調べた範囲では見つからず、期間は店ごとに違います。
映像を見せてもらえるかは店しだいです。
盗難などの被害なら、警察に届けて、警察から店に確認してもらうのが現実的な流れです。
顔認証は「誰が来たか」を見分ける仕組みです。
僕のいた店でも、出禁のお客さんの来店に気づくのに使っていました。
出玉を操作する仕組みだという根拠は見つかりません。
言葉の意味も先に書いておきます。
防犯カメラは、店内や駐車場を撮影・録画するカメラのことです。
「監視カメラ」と呼ばれることもありますが、この記事では同じものとして扱います。
顔認証(顔識別)は、カメラに映った顔を、登録しておいた顔と照らし合わせて、同じ人かどうかを見分ける仕組みです。
僕はパチンコ店で約8年(2008〜2016年ごろ)、店員から店長まで働いていました。
この記事では、お店側の目線で次のことを解説します。
- 防犯カメラは何のために付いていて、どこまで見ているのか
- 録画の保存期間
- 映像を見せてもらえるか(お客さん・警察)
- 顔認証で何をしているのか
- 「顔認証で負ける・遠隔」の噂と、トイレ・駐車場のカメラ
パチンコ店の防犯カメラは「トラブルの証拠」と「お客さんの安全」のためにある
カメラの役目は、盗難・台の破損・ケンカなどを後から確かめること
パチンコ店の防犯カメラの目的は、一般に次のように説明されています。
- 犯罪を起こさせないようにする(抑止)
- 盗難や台の破損があったときの証拠を残す
- お客さん同士のトラブルやクレームのとき、何があったかを確かめる
- お客さんの安全を守る
お店側の本音を言うと、カメラは「お客さんを勝たせる・負けさせる」ためのものではありません。
何か起きたときに、あとから事実を確かめるための道具です。
この「勝ち負け」の噂は、後半の章でくわしく書きます。
僕のいた店で出禁にしていたのは、台を叩いて壊す場合と、物・出玉・ICカードを盗むといった盗難系でした。
出禁は「出入り禁止」の略で、お店がその人の入店を断ることです。
台が壊されたときや盗難があったときは、防犯カメラの映像を確認していました。
僕のいた店では、映像を見れば、誰がやったのかが分かりました。
台を壊したり人の物を盗んだりすれば、映像に残ると考えてください。
台を壊したときの弁償や警察の話は、こちらの記事にまとめています。
➡ 台パンでパチンコ台を壊したら?弁償・警察・出禁を元店長が解説
どこまで見ている? ホール全体・出入口・カウンター・駐車場に付いていることが多い
「パチンコ店のカメラはどこにあるの?」と気になる人もいると思います。
天井やホールの通路の上など、店内のあちこちに付いています。
設置場所は、ホール全体、出入口、階段、景品カウンターの前、トイレの出入口付近、駐車場などと説明されることが多いです。
性能についても、ズームができる、顔が分かる画質で撮れる、といった説明がよく見られます。
カメラの細かい位置や性能は、お店の防犯に関わるので、この記事では書きません。
では、お店はカメラの映像をずっと見張っているのか。
僕のいた店では、モニターを見ているときもありましたが、基本は何かあったときに巻き戻して見る使い方でした。
打つ人にとって大事なのは、店内で起きたことは、だいたい録画されていると思っておくことです。
そう考えておけば、何かトラブルにあったとき「店に確認してもらえるかもしれない」と思えます。
防犯カメラの保存期間を一律に決めた法律は見つからず、店ごとに違う
法律で「何日残す」とは決まっていない(2026年10月時点、今回の調査の範囲)
パチンコ店の防犯カメラについて、「録画を何日残さなければいけない」と一律に決めた法律は、今回調べた範囲では見つかりませんでした。
参考になるのは、個人情報保護法の考え方です。
個人情報保護法22条では、お店などの事業者は、個人データを利用する必要がなくなったときは遅滞なく消去するよう努めなければならない、とされています(2026年10月時点、e-Gov法令検索で確認)。
「必要な間だけ持っておく」という考え方です。
自治体が街なかに付けている防犯カメラには、「おおむね1か月以内」といった保存の基準を決めている例があります。
ただ、これは公共のカメラ向けの基準で、民間のパチンコ店にそのまま当てはまるものではありません。
ネットには「1〜2週間」「1か月」「2か月」など、いろいろな数字が出ています。
でも、根拠が示されていないことが多いです。
保存期間を左右するのは、録画機の容量、カメラの数、画質などです。
容量がいっぱいになると、古い映像から上書きされていく仕組みが多い、と説明されています。
つまり、何日残っているかは店ごとに違う、と考えるのが正確です。
僕のいた店では録画は2週間くらい残っていた
僕が働いていたころ(2008〜2016年ごろ)の店では、録画は2週間くらい残っていました。
働いていた間に、日数が変わったことはありません。
ただ、これはあくまで当時の、僕のいた店の話です。
今の店や、ほかの店が同じとは限りません。
打つ人に伝えたいのは、何かあったら、日がたつ前にすぐ店員に伝えることです。
「あとで言えばいいか」と思っているうちに、映像が上書きされてしまうこともあります。
映像を見せてもらえるかは店しだい。被害があれば警察経由が現実的
お客さんが「映像を見せて」と頼んでも、見せるかどうかは店の判断
僕のいた店でも、お客さんから「映像を見せてほしい」と言われたことがあります。
「離席中に物を取られたので、自分の目で確認したい」という内容でした。
こうしたお願いに応じるかどうかは、店ごとの判断になります。
防犯カメラの映像には、頼んだ本人以外のお客さんもたくさん映っています。
そのため、一般に、お店としては簡単には見せにくいものだと考えられます。
お客さんに映像を見せる義務が法律上あるかどうかは、状況によって考え方が変わるので、ここでは言い切りません。
気になる場合は、弁護士などの専門家に確認してください。
現実的な流れは、だいたい次のとおりです(店によって違います)。
- まず店員に、何があったかを伝える
- 店が必要だと判断すれば、店が映像を確認する
- 盗難など被害があれば、警察に届け出て、警察から店に確認してもらう
ちなみに、忘れ物については、僕のいた店ではカメラで探したことはありません。
忘れ物をしたときは、カメラより先に、まず店に電話して聞いてみてください。
➡ パチンコ屋に忘れ物をしたら?保管期間と電話のしかたを元店長が解説
警察から照会があれば、店は本人の同意なしで映像を出せる場合がある
警察が捜査で防犯カメラの映像を求めてくることがあります。
その手続きのひとつが捜査関係事項照会で、警察が捜査のために会社や店に情報の提供を求める手続きのことです(刑事訴訟法197条2項)。
個人情報保護法27条1項では、事業者は原則として本人の同意なしに個人データを第三者に渡してはいけないとしたうえで、例外のひとつに「法令に基づく場合」(1号)を挙げています。
個人情報保護委員会のガイドライン(通則編)では、この「法令に基づく場合」の例として、警察の捜査関係事項照会(刑事訴訟法197条2項)に対応する場合が挙げられています(2026年10月時点で確認)。
つまり、警察から照会があれば、店は本人の同意がなくても映像を出せる場合がある、ということです。
僕のいた店でも、警察から映像を求められたことがあり、その場で見せました。
打つ人に伝えたいのは、被害にあったら、店に伝えたうえで警察に届け出ることです。
自分で映像を見られなくても、警察を通して確認してもらえる可能性があります。

顔認証は「誰が来たか」を見分ける仕組み。出禁のお客さんの来店に気づくのに使う
顔認証でできるのは、登録した顔と同じ人が来たことに気づくこと
顔認証は、カメラに映った顔を、あらかじめ登録しておいた顔と照らし合わせる仕組みです。
一致すると、事務所などに知らせが出ます。
大手のパチンコ店では、登録した人が来店すると事務所のモニターに知らせが出る仕組みを使っている例が報道されています(2023年7月の報道)。
使い道は、出禁の人やトラブルを起こした人への対応のほか、常連のお客さんへの接客に使う例もあると報じられています。
僕のいた店に顔認証が入ったのは、11年ほど前(2015年ごろ)です。
出禁のお客さんが来店したときは、顔認証で気づいていました。
出禁にした人のことは、従業員の間でも共有していました。
気づいたら、丁寧にご退店いただいていました。
仕組みの細かい設定はお店の防犯に関わるので書きませんが、出禁を言われている店に「気づかれないだろう」と入るのはやめたほうがいいです。
出禁の理由や解除については、こちらの記事にくわしく書いています。
➡ パチンコ出禁の理由と解除|出禁中に入るとバレる?警察は?元店長が解説
顔認証を使う店は、利用目的を知らせることが求められている(2026年10月時点)
顔認証付きのカメラについては、個人情報保護委員会が考え方を示しています(2023年3月の資料と、Q&AのQ1-14。2026年10月時点で確認)。
要点は次のとおりです。
- 顔認証を使うなら、「防犯のため」だけでなく、顔認証を使っていることも利用目的として示す
- カメラの見た目では顔認証を使っていると分からないので、利用目的を知らせる(通知・公表する)必要がある
- 店の入口やカメラのある場所に、運用している会社、利用目的、問い合わせ先などを掲示するのが望ましい
- 登録する人の基準をあらかじめ決めて、必要な範囲を超えて登録しない
僕のいた店でも、入口に「防犯カメラ作動中」などの掲示はありました。
なお、上の個人情報保護委員会の考え方が示されたのは2023年で、僕が働いていたころより後のことです。
カメラや顔認証が気になる人は、入口の掲示や店のサイトを見るか、店員に聞いてみてください。
自己申告・家族申告プログラムとは別の話
パチンコへののめり込みを防ぐ仕組みに、自己申告・家族申告プログラムがあります。
本人や家族が申し込んで、入店を制限してもらうなどの仕組みです。
公式サイトでは、申込書や同意書などで手続きすると書かれていて、顔写真や顔認証を使うとは書かれていません(2026年10月時点)。
なので、この記事では顔認証の話とは分けて考えてください。
「顔認証で負ける・出玉調整・遠隔」の噂は、根拠が見つからない
顔認証と出玉を結び付ける根拠は、報道にも公的な情報にも見つからなかった
ネットでは「顔認証で顔を覚えられると負けさせられる」「出玉を調整される」「遠隔で操作される」といった噂を見かけます。
でも、今回調べた範囲では、裏付けのある報道や公的な情報は見つかりませんでした(2026年10月時点)。
上で書いたとおり、顔認証は「誰が来たか」を見分ける仕組みです。
台の出玉に関わる仕組みだという根拠は見当たりません。
法律の面でも、台の中身を店が自由に変えられるわけではありません。
風営法では、遊技機の増設・交替その他の変更をするときは、あらかじめ公安委員会の承認を受けなければならないとされています(風営法20条10項で9条1項を準用。2026年10月時点、e-Gov法令検索で確認)。
承認を受けずに台を変えること(無承認変更)自体が、法令で認められていません。
僕自身、店員・店長として働いていた間に、お客さんから「顔認証で出玉をいじってるだろ」と言われたことはありませんでした。
負けが続くと、何かのせいにしたくなる気持ちは分かります。
ただ、勝ち負けを噂のせいにするより、使う金額と時間を先に決めて遊ぶほうが、ずっと大事だと思います。
監視カメラにお辞儀すると出る? は俗説
「監視カメラにお辞儀すると出る」という話を聞いたことがある人もいるかもしれません。
でも、お辞儀で台の出方が変わる仕組みは確認できません。
俗説として、気にしなくていいと思います。
トイレのカメラは出入口付近と説明されることが多い。駐車場は車上荒らしと子どもの車内放置を防ぐため
トイレは「出入口付近に付いている」と説明されることが多い
「トイレにもカメラがあるの?」と不安になる人もいると思います。
パチンコ店のトイレについては、出入口や通路の付近にカメラがある、と説明されることが多いです。
トイレの前は、置き引きなどのトラブルが起きやすい場所だと言われます。
具合が悪くなったお客さんに気づくためにも、出入口付近は見ておきたい場所だと考えられます。
駐車場のカメラと巡回は、事故・盗難と子どもの車内放置を防ぐため
駐車場には、接触事故や車上荒らしなどを確かめるためにカメラが付いていることが多い、と説明されています。
もうひとつ大事なのが、子どもの車内放置を防ぐことです。
2024年7月の報道(弁護士JPニュース)では、全日遊連(全日本遊技事業協同組合連合会)が、子どもを車に残したまま遊技することを防ぐため、加盟店に駐車場の巡回などを徹底するよう求めていると紹介されています。
子どもを車に残したまま遊技するのは、絶対にやめてください。
短い時間のつもりでも、車の中は危険です。
パチンコ・スロットを遊ぶときの注意
最後に、パチンコ・スロットを遊ぶときの注意です。
- パチンコ・スロットは18歳未満は遊技できません。パチンコ店には、時間帯に関係なく18歳未満は客として入れません
- 遊技は、生活に影響しない余裕のあるお金で楽しんでください
- のめり込みに不安がある人や、家族のことで悩んでいる人は、リカバリーサポート・ネットワークに相談できます
リカバリーサポート・ネットワーク(2026年10月時点)
- 電話: 050-5846-3952
- 受付: 月曜〜金曜 10:00〜22:00(受付は21:30まで、祝日を除く)
- 相談は無料ですが、通話料がかかります(公衆電話・非通知・184からはつながりません)
- 公式サイト: https://rsn-sakura.jp/
まとめ
- 防犯カメラは、盗難・台の破損などトラブルの証拠と、お客さんの安全のためにある。僕のいた店では、基本は何かあったときに巻き戻して見ていた
- 保存期間を一律に決めた法律は見つからず、店ごとに違う。僕のいた店では2週間くらい。何かあればすぐ店に伝える
- 映像を見せるかは店しだい。被害があれば警察に届け、警察から照会してもらうのが現実的
- 顔認証は「誰が来たか」を見分ける仕組みで、出禁の人の来店に気づくのに使われる
- 「顔認証で負ける・遠隔」は根拠が見つからない。台を承認なく変えること自体が法令で認められていない
- トイレのカメラは出入口付近と説明されることが多い。駐車場は事故・盗難と子どもの車内放置を防ぐため
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