「雀荘って、経営したら儲かるの?」
「開業資金はいくらくらい必要?」
「雀荘が潰れるのは、どんな理由?」
雀荘の開業を考えている人も、麻雀が好きで気になっている人も、ここは知りたいところだと思います。
先に答えを書きます。
雀荘が儲かるかどうかは、お客さんが集まって卓が埋まるかでほぼ決まります。
雀荘の売上の中心は、ゲーム代(場代)です。
卓が空いている時間は売上がなく、家賃などの固定費だけが出ていきます。
僕はパチンコ店で約8年、店員から店長まで働いたあと、脱サラして雀荘を開きました。
4〜6卓の店で、開業資金は300〜500万円かかりました。
でも、お客さんを集めきれず、1年未満で店を閉めました。
残った借金は500万円です。
この記事では、お店を開いた側の目線で、次のことを順番に書きます。
- 雀荘の売上の仕組み(一般的な目安)
- 開業資金の内訳と、運転資金
- 僕の店が失敗した理由
- 今もう一度やるなら、どうするか
- 雀荘を開く前に確かめること
雀荘の売上は「ゲーム代×人数×営業時間×卓数」で決まる。卓が埋まらなければ儲からない
雀荘の収入はゲーム代(場代)が中心。フリーとセットの2種類がある
雀荘の収入の中心は、卓と場所を使ってもらうゲーム代(場代)です。
遊び方は大きく2種類あります。
- フリー: 1人でお店に行き、その場にいる知らないお客さん同士で卓を組む遊び方
- セット: 仲間4人で行って、卓を借りる遊び方
ほかに、ドリンクや軽食の売上もあります。
ただ、お店の売上の土台になるのは、やはりゲーム代です。
売上の理論値は「ゲーム代×4人×営業時間×卓数」。実際は卓が埋まった時間だけ

雀荘の売上は、かんたんな式で考えられます。
ゲーム代(1人1時間)×4人×営業時間×卓数です。
マネーフォワード クラウド会社設立の解説記事では、仮の試算として次の数字が出ています(2026年11月時点で確認)。
- 1卓4人×1時間600円×12時間=1卓で1日28,800円
- 10卓がすべて埋まると、1日288,000円(経費は別)
ただし、これは全部の卓が、営業中ずっと埋まった場合の理論値です。
ゲーム代も、お店によって違います。
実際の売上は、ここに稼働率を掛けた分しか入りません。
稼働率は、卓が埋まっている時間の割合のことです。
卓が空いている時間は売上が0円でも、家賃や人件費は毎月出ていきます。
理論値だけを見て「儲かりそう」と考えるのは危ないです。
僕の店も売上の柱はフリーのゲーム代。フリーは4人そろわないと卓が立たない
僕の店は4〜6卓で、フリーとセットの両方をやっていました。
売上の柱は、フリーのゲーム代でした。
フリーは、4人そろって初めて卓が立ちます。
お客さんが3人しかいなければ、4人目のお客さんが来るまで待ってもらうか、店員が入って卓を立てることになります。
つまり、フリーが中心の店では、来てくれるお客さんの人数が、そのまま売上になります。
お客さんが少ない店ほど、待ち時間も長くなりやすくなります。
パチンコ店は台が売上を生むが、雀荘は「場所と時間を貸す」商売
元パチンコ店員の目線で言うと、パチンコ店と雀荘は、売上の立ち方がまったく違います。
パチンコ店は、お客さんが1人でも台に座って玉を借りれば、その分の売上が立ちます。
台そのものが売上を生む仕組みです。
雀荘は、お客さん同士が対戦する遊びです。
お店は場所と時間を貸しているだけなので、人数がそろわなければ売上になりません。
ここが、雀荘経営でいちばん押さえておきたい違いです。
パチンコ店の売上の考え方は、こちらの記事でまとめています。
➡ パチンコ屋の一日の売り上げは平均約660万円|粗利と稼働率の計算
雀荘の開業資金は300万円程度が目安。僕の店は4〜6卓で300〜500万円かかった
開業資金の内訳は物件の保証金・内装・麻雀卓・麻雀用品など
雀荘を開くときにかかるお金は、主に次のとおりです。
| 項目 | 中身 |
|---|---|
| 物件取得費 | 保証金(敷金)・仲介手数料・前家賃など |
| 内装・設備 | 電気工事・内装工事・空調・トイレなど |
| 麻雀卓(全自動卓) | 1台の価格は解説記事によって「新品で30〜50万円が相場」「安いもので10万円程度、高いものは50万円以上」と幅がある |
| 麻雀用品・備品 | 牌・点棒・椅子・サイドテーブルなど |
| 看板・広告 | 看板、チラシ、雀荘の検索サイトへの掲載など |
| 許可の費用 | 申請手数料、行政書士に頼むならその報酬 |
| 法人設立費用 | 会社を作るなら20万円以上(マネーフォワードの解説) |
雀荘の情報サイト「じゃんラボ」の解説では、開業資金の相場は300万円程度、余裕を持つなら800〜1,000万円ほどとされています(2026年11月時点で確認)。
個人の実例として、ある経営者のnote(2021年公開)では、6卓の店で、物件の契約費と内装・設備費を合わせて約950万円でした。
家賃は共益費込みで月20万円、保証金は200万円で、運転資金はこれとは別に用意していたそうです。
あくまで1店舗の例で、物件や地域によって大きく変わります。
僕の店は、保証金・内装・卓など全部で300〜500万円でした。
開業資金とは別に、赤字の月を耐える運転資金が要る
開業してすぐに、お客さんが集まるとは限りません。
最初の何か月かは、赤字になることも考えておく必要があります。
飲食店の開業の解説では、運転資金を最低でも3か月分用意するよう書かれています(マネーフォワード クラウドの飲食店開業の解説。2026年11月時点で確認)。
半年分を目安にする解説もあります。
これは雀荘に限った数字ではありませんが、考え方は同じです。
僕の借金500万円は、開業資金と、営業中の赤字の両方でした。
開業資金だけ用意して、赤字の月を耐えるお金がないと、借金はあっという間にふくらみます。
許可と物件探しが最初の山。詳しくは「麻雀の資格」の記事で
雀荘を開くには、風営法の許可(第2条第1項第4号の「まあじゃん屋」)が要ります(2026年11月時点)。
僕がいちばん大変だったのは、物件探しでした。
用途地域や、学校などからの距離の条件で、営業できない物件が多かったからです。
申請は行政書士に頼み、申請から営業開始まで2か月くらいかかりました。
許可を取ったあとも、守る決まりがあります(2026年11月時点)。
- 深夜0時〜6時は営業できない(第13条第1項。条例で例外がある地域もある)
- 18歳未満はお客さんとして入れられない(第22条第1項第5号)
- 料金を、お店の中でお客さんに見やすいように表示する(第17条)
お金を賭ける麻雀は賭博にあたり、違法です。
お店側も、お客さん側も同じです。
許可の条件や申請の流れは、こちらの記事でくわしく書いています。
➡ 麻雀の資格一覧|検定・段位と雀荘を開く許可を元雀荘経営者が解説
雀荘経営が失敗する一番の理由は「お客さんが集まらない」こと。僕の店もそうだった
雀荘の許可数は4年で約1,100件減った。失敗の理由でよく挙がるのは「お客さんが集まらない」
警察庁の令和7年版警察白書によると、まあじゃん屋の許可数は次のように減っています(各年末。2026年11月時点で確認)。
| 年 | 令和2年 | 令和3年 | 令和4年 | 令和5年 | 令和6年 |
|---|---|---|---|---|---|
| まあじゃん屋 | 7,597件 | 7,312件 | 7,061件 | 6,734件 | 6,513件 |
4年で約1,100件、割合にすると約14%減りました。
元パチンコ店員として付け加えると、同じ白書で「ぱちんこ屋等」も9,035件から6,706件に減っています。
パチンコ店も雀荘も、お店の数が減り続けているのは同じです。
白書は、減った理由までは説明していません。
そのうえで、雀荘がうまくいかない理由として、解説記事(じゃんラボなど)でよく挙がるのは次のようなものです。
- お客さんが集まらず、赤字が続く悪循環に入る
- ゲーム代の値上げや時間の制限で、常連さんが離れる
- 人口の少ない地域では、フリーの4人がそろいにくく、待ち時間が長くなる
- ネット麻雀など、家で遊べるものにお客さんを取られる
集客はチラシ・看板、SNS・検索サイト、割引・イベント、知り合いへの声かけと全部やった
僕の店がうまくいかなかった理由は、ひと言でいうとお客さんが集まらなかったことです。
集客のために、やったことは次のとおりです。
- チラシ・看板
- ネット(SNS・雀荘の検索サイト)
- 料金の割引・イベント
- 知り合いへの声かけ
思いつくことは一通りやりました。
ただ、SNSは少ししかやりませんでした。
それでも、卓が埋まるほどのお客さんは集まりませんでした。
1年未満で閉めた。決め手は、店長を任せた知り合いと「お店の方針・やり方」が合わなくなったこと
店長は、知り合いに任せていました。
店を閉めると決めたいちばんのきっかけは、その店長とお店の方針・やり方で意見が合わなくなったことです。
営業期間は、1年未満でした。
どちらが悪いという話ではありません。
お店の方針・やり方について、考えが合わなかったということです。
今思えば、これは開業する前に話し合って決めておくべきことでした。
この反省は、最後のチェックリストにも入れています。
残った借金は500万円。開業資金と営業中の赤字の両方だった
店を閉めたあとに残った借金は、500万円です。
中身は、開業資金と、営業中に出た赤字の両方でした。
そのあとは、物販の仕事で立て直しました。
今もう一度やるなら「お客さんを呼べる人」を雇い、SNSを本気で使う
お客さんを呼べる人をスタッフとして雇う
今もう一度雀荘をやるなら、まずお客さんを呼べる人をスタッフとして雇います。
雀荘のスタッフ(メンバー)の仕事は、受付やドリンクを出すことだけではありません。
じゃんラボの解説でも、フリーでお客さんの人数がそろわないときは、店員が入って打つことも多いとされています。
「この人がいるなら行ってみよう」と思ってもらえる人がいれば、お店に来てもらうきっかけになりえます。
僕の店には、プロ団体に所属しているスタッフもいました。
僕の店のつまずきは集客でした。だから今やるなら、まず集客を担える人を探します。
麻雀プロのなり方や団体については、こちらの記事でまとめています。
➡ 麻雀プロになるには?資格や制限の内容 試験の内容や団体の種類について紹介
SNSで店の雰囲気と卓の空き具合を出す
当時、SNSは少ししかやりませんでした。
今やるなら、SNSは本気でやります。
初めての人にとっては、「どんな雰囲気の店か」「行っても卓が立つか」が分からないと、入りにくいこともあると思います。
そこをSNSで見せられれば、来るきっかけを作りやすくなります。
たとえば、こんな発信が考えられます。
- 今日の営業時間と、今の卓の空き具合
- フリーで何人待っているか
- 初心者歓迎の日や、イベントの案内
- 店内やスタッフの雰囲気
どれも、大きなお金をかけずに始められることです。
雀荘を開く前に確かめること(チェックリスト)
ここまでの僕の失敗をもとに、開業前に確かめておきたいことをまとめました。
全部をクリアしないと開けない、というものではありません。
ここが確かめられれば、検討する余地がある、という目安として使ってください。
- □ 近くにフリーで打つお客さんがいて、4人がそろう見込みがあるか
- □ 売上を理論値ではなく、卓が半分も埋まらない月でも計算したか
- □ 開業資金とは別に、赤字の月を耐える運転資金があるか
- □ 物件が営業できる場所か(用途地域・学校などからの距離)、大家さんの承諾が取れるか
- □ 集客を担える人がいるか。自分ひとりで全部やろうとしていないか
- □ 店長・スタッフと、お店の方針・やり方を開業前に話し合って決めたか
- □ どこまで赤字が続いたらやめるかを決めたか
- □ お金を賭けない店として運営する前提か
- □ 「麻雀教室」という形も比べたか
6つめの「店長・スタッフと方針を決める」は、僕自身の反省から入れた項目です。
7つめの「やめどき」を決めるときは、閉めるときにかかるお金も考えておきます。
一般的には、お店を元の状態に戻す工事(原状回復)や、保証金がいくら戻るか、卓をリースしているならその残りなどが関わってきます。
9つめの「麻雀教室」について。
2026年7月1日付の警察庁の解釈運用基準で、麻雀を教える人がいつもいて、その人の指導と管理の下で客が麻雀をする教室は、当面、風営法の規制の対象としない扱いになりました(2026年11月時点)。
ただし「当面」の扱いで、名前が教室でも中身が雀荘と同じなら許可が要ると考えてください。
くわしくは、こちらの記事を見てください。
➡ 麻雀の資格一覧|検定・段位と雀荘を開く許可を元雀荘経営者が解説
開く前に、お客さんとしていろいろな雀荘に行ってみるのも、判断の材料になります。
お客さんの入り方や、スタッフの動き方は、実際に見ると分かることが多いです。
雀荘を開く人・遊ぶ人への注意
- お金を賭ける麻雀は賭博にあたり、違法です。雀荘は「お金を賭けない」前提で営業し、遊ぶ人も賭けないでください
- 雀荘(まあじゃん屋)には、18歳未満はお客さんとして入れません(風営法第22条第1項第5号)
まとめ
- 雀荘の売上は「ゲーム代×人数×営業時間×卓数」。試算の数字は、全卓が埋まった場合の理論値にすぎない
- 開業資金は300万円程度、余裕を持つなら800〜1,000万円が目安(じゃんラボ)。赤字の月を耐える運転資金は別に要る
- 僕は4〜6卓の店を300〜500万円で開いたが、お客さんが集まらず1年未満で閉め、借金500万円が残った
- 閉めた決め手は、店長とお店の方針・やり方が合わなくなったこと。方針は開業前に決めておくべきだった
- 今やるなら、お客さんを呼べる人を雇い、SNSを本気で使う
- 開く前にチェックリストを確かめる。お金を賭けない店であることが前提
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➡ 麻雀の資格一覧|検定・段位と雀荘を開く許可を元雀荘経営者が解説